12月14日、15日の2日間、アフリカ・マラウィから6名の研修生が多気町を訪問しました。「シレ川中流域における農民による流域保全活動推進プロジェクト」の一環として昨年行われた同国の訪問から、二年連続の機会となります。
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研修内容
〇勢和語り部会によるガイドツアー(水銀鉱跡、丹生大師)
〇川原製茶訪問(農場見学、工場見学)
〇日替わりシェフキッチンサラダボール紹介、昼食
〇地域資源バンクNIUの活動紹介
〇立梅用水見学と水土里ネットの活動紹介
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毎回、JICA研修を通して浮彫りになるのは、勢和の地域が育んできた土地や先人とのつながりです。
西村彦左衛門さんが指揮をとり、住民が一丸となって建設した立梅用水に代表されるように、この地は多くの人の手によって造られ、発展してきました。現在、立梅用水は農業用水の確保に留まらず、観光、教育、小水力発電など多方面でその機能を活用し、未来につながる地域デザインを描きながら人々の暮らしを支えています。研修では、実際にメンテナンス現場を見せていただいたり、用水建設にどのような苦労や工夫があったか具体的にお話を聞いたりすることができました。「彦左衛門さんから続く200年を受け継いで、これから200年続く取り組みを行っていきたい」という水土里ネット高橋さんの言葉には、研修生も熱いものを感じたようでした。
ガイドツアーでは、奈良時代に最盛期を迎えた水銀採掘の話や丹生大師の歴史を聞き、その時間の長さに圧倒されているようでした。川原製茶では、製茶から商品化までの流れや契約農家と会社のつながりなど、熱心に質問している様子がうかがえました。何でも、マラウィでもお茶を栽培し、普段から飲用する習慣があるとのこと。それでも、ここのお茶は美味しい!と喜んでいただきました。
今回、研修に参加したのは地域農政局長や県知事など、国を代表して農村地域を牽引する方々。農村開発においては、外部からの援助に依存するのではなく、地域住民が直接参加することに重きをおく「内発的発展」が重要と言われます。今回の研修を振りかえってみると、講師の方々の地域に向き合う姿勢そのものが、研修生に伝えるメッセージはとても大きかったのではないでしょうか。
ご協力いただいた地域の皆さま、本当にありがとうございました!