もう2か月前のことになろうとしていますが、
9月7日、三重県地域連携部主催の「中山間地域活性化シンポジウム
~コミュニティづくりとビジネス展開の両輪でめざす地域づくり~」
でパネルディスカッションのコーディネーターを務めさせていただきました。
基調講演は、ソーシャルビジネスとして全国的に有名な、和歌山県の
農業法人株式会社秋津野、代表取締役副社長玉井常貴さん。
「俺ん家ジュース」というみかんジュースをご存じの方も多いかもしれません。
平成11年に住民出資にて直売所「きてら」を立ち上げ、その後ジュースの加工所を作り
次に廃校になった旧小学校を活用して体験交流、農家レストラン、宿泊棟オープンなど
次々に事業を展開されています。
http://agarten.jp/
地域住民出資、みかんという地域資源の最大の活用、加工所からレストラン、宿泊まで
フルセットの展開は確かに目を見張りますが
パネルディスカッションでは、その根っこにある類まれなコミュニティの運営力に注目が集まりました。
ベースにあるのは、絶え間ない地域との調整、調整、調整。
平成6年に秋津野塾という、子供会から農協、公民館まで主な地域組織が参加する場を創造し
平成12年には地域のマスタープラン策定を始めます。
そして直売所のオープンの頃には、地域で暮らすサラリーマンから農家まで出資が集まる状況だったそうです。
そして直売所の経営危機があったときには、メンバーで課題を克服するための知恵を絞って
新しい商品の開発に至ったそう。そのときの発信と顧客のデータベースが、今の顧客層にもつながっているというお話でした。
終始穏やかに語られる、玉井副社長。
コミュニティとビジネスの両輪をつなぐために地域を奔走し、
地域の輝きを発信し、お客さまのニーズに応え、資金を調達する。
そしてそこまでしてもそのご自身の存在を「あくまで黒子」と称されるところに、
学ぶべき「リーダーの在り方」を感じたシンポジウムでした。